6時方向に敵影あり

Author: まかろにばやし (page 2 of 2)

記録(砂漠の王国について)

 ここ五年以上、文字に対して特別な苦手意識を持ったことはなかったが、自ら進んで何かを書いてみるとなると話は別であるらしかった。だが、それは語るという行為への後ろめたさによるものだろう。私の来歴はあまり誇れたものではない。二十と数年(正確にはわからないが、恐らく二十五年前後)を生きてきて、見たものといえば、四つの国家の滅亡と、伴う屍の山だった。その半ばはこの手で為した。直接ではないが、傲慢を承知で云うならば、おなじことだろう。戦を生業とする以上は。
 実の所、私は私自身について殆どを把握できていない。多くの人間がそうに違いない。しかし、敢えていうからには、ここに書くことは限定的で盲目な主観であることを承知して、紙面のどこかに唯一つでも真実を見つけ出そうとすることへの徒労を覚悟して欲しい。
 何故、書くのか。ここ最近、記録を残すということに情熱を燃やしている知人(彼が言うには、恩人、預言者!)の勧めだ。彼は自らの趣味を他者にも広めようとしたのか、それとも研究とやらに役立てるつもりなのか。いずれにせよ、書くという行為自体を目的に据えてしまったために、果たして何を記すべきなのか、未だにわからない。思いつくままに書く。
Continue reading

Newerposts

Copyright © 2024 6時方向に敵影あり

Theme by Anders NorenUp ↑